2.2 case式

rubyにおけるcase式は、C言語におけるswitch-case文に相当するものであり、値による多岐分岐を提供してくれている。

# Rubyのcase式
case [変数]
when [値] then
  [処理]
when [値] then
  [処理]
...
else
  [処理]
end

上のcase式では、まずcaseの後に置かれた[変数]が評価され、次にその値に対応するwhen節が選ばれた後にthen節が実行され、 最後に評価された式がcase式全体の値になり、返却される。このcase式もif式と同じく、区切りが明確であればthenは省略可能である。

Rubyのcase式は整数・文字、だけでなく任意の型を記述することができる。 非常に面白い例として範囲をあらわすRange型を使用してみる。

// -*- coding: utf-8 -*-
// case.c

int x;
while(1){
    scanf("%d", &x);
    switch(x){
        case 1:
        case 2:
        case 3:
            printf("0~3の間");
        ...
        default:
            printf("範囲外なので終了。");
            break;
    }
}
# -*- coding: utf-8 -*-
# case.rb

puts '0~10の間の数字を入力してください。(範囲の外に出たら終了。)'
loop{ # 無限ループをするメソッド
  case STDIN.gets.to_i
  when 0..3   #  範囲をあらわすRange型
    puts '0~3の間'
  when 4..7
    puts '4~7の間'
  when 8..10
    puts '8~10の間'
  else
    puts '範囲外に出たので終了します。'
    break
  end
}

また、RubyではCとcase式内でのbreakの使い方が異なり、breakが評価されると上の例のようにcase式からではなくcase式を含むブロックからの脱出になってしまうことに注意してほしい。 もう一つ注意するべきなのが、評価されるthen節は一つのcase式内で一つのみである点である。次の例を見て欲しい。

# -*- coding: utf-8 -*-

puts '0~10の間の数字を入力してください。(範囲の外に出たら終了。)'
loop{
  case STDIN.gets.to_i
  when 0..10   #  範囲を変更
    puts '0~10の間'
  when 4..7
    puts '4~7の間'
  when 8..10
    puts '8~10の間'
  else
    puts '範囲外に出たので終了します。'
    break
  end
}

一つ目のwhen節の条件式が変わっている。C言語では、breakを書かない限り条件が一致していれば複数のブロックを評価するのに対し、Rubyでは初めに選ばれたwhen節で自動的に値を返してしまうので、上の例では下二つのwhen節は絶対に通らないことになってしまう。これはbreakの使い方に関係していて、Rubyではcase節内のbreakは不要であるということを意味している。

case式の使い方を覚えたら次の問題を解いてみよう。

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